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安全運行の要 【点呼】について ~ドライバー点呼の重要性とは?~
2025.07.18
昨今の物流業界では安全管理などへの対策が求められています。
特に点呼に関しては、未実施や形式的に処理されており点呼手続きが不十分といったケースが見られています。
点呼は、運送事業者に義務付けられた重要な安全確認手続きであり、運転者のコンディションや車両の状態を把握することで、交通事故の未然防止に寄与します。こうした根幹部分における不備は、企業の安全ガバナンス体制そのものに対する信頼を大きく損なうものであり、対外的な信用にも影響を及ぼす可能性があります。
本記事では、点呼の目的や内容、法令上の義務について解説します。
点呼とは?
運送現場に欠かせない点呼の役割
運送業における「点呼」は、安全運行を実現し、ドライバー・車両・企業を守るために欠かせない重要な業務です。国土交通省が定める「貨物自動車運送事業輸送安全規則」第7条では、点呼の実施と記録が義務づけられており、怠ることは重大な法令違反となります。
点呼は主に以下の3つに分類され、それぞれに明確な目的と実施基準があります。
(1)乗務前点呼
乗務前点呼とは、運転者に対し機器を用いて酒気帯びや健康状態、車両点検の実施状況を確認し、安全運行のために必要な指示を与える点呼です。
乗務前点呼における確認項目一覧
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| アルコール検査 | 検知器を用いた酒気帯びの有無を確認(義務) |
| 健康状態 | 睡眠不足、服薬、体調不良などの確認 |
| 車両点検 | タイヤ、ブレーキ、灯火類、オイル、車体などの点検報告の確認 |
| 携行品 | 運転免許証、運行指示書、携帯電話など必要物の所持確認 |
| 注意事項伝達 | 運行ルート、天候、交通情報、休憩ポイントなどの共有・指示 |
(2)中間点呼
長距離運行や長時間勤務において、途中でドライバーの状態を確認し、事故を未然に防ぐ点呼です。
2泊3日以上の、営業所に一度もよらない日がある場合に行います。
中間点呼における確認項目一覧
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 健康状態の確認 | 体調不良・眠気・疲労の有無などを聞き取り |
| 運行状況の確認 | 予定通りの運行か、遅延・トラブルの有無を確認 |
| 休憩・仮眠の指示 | 疲労の兆候があれば、休憩・仮眠・運転中止の判断を行う |
| 通信手段 | 電話・無線・IT点呼ツールなどを用いて遠隔で実施可能 |
| 記録の作成 | 点呼記録簿に日時・内容・実施者名などを記録 |
(3)乗務後点呼
業務終了後の運転者の状態や車両の状況を確認し、翌日の安全運行につなげる点呼です。
乗務後点呼における確認項目一覧
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| アルコール検査 | 運行終了後の酒気帯び有無を検知器で確認(義務) |
| 健康・疲労状態 | 極度の疲労、体調不良の申告確認 |
| 車両の異常確認 | ブレーキ・ランプ・異音などの異常申告を受け、整備へ引き継ぐ |
| ヒヤリハット報告 | 危険を感じた場面、交通トラブルの有無を聴取 |
| 次回運行への引き継ぎ | 翌日の運行スケジュールや注意事項を確認・共有 |
参考文献:貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について(全文) (国土交通省)
点呼の重要性
点呼を行わないと業務停止処分も、、、
点呼を行う事で以下のような安全確認を行うことが出来ます。
1.ドライバーの体調・健康管理
点呼時にアルコールチェックを行い飲酒運転を防ぐことが出来ます。
また、ドライバーの体調も確認することで無理な運転を防ぐことが出来ます。
2.車両の安全確認
車両の状態を確認することで運転中の事故を防ぐことが出来ます。
3.運転時間・休憩時間の管理
過労運転は非常に危険で、事故を引き起こす要因となります。点呼を行う事で運転時間と休憩時間をしっかりと管理できます。
4.運行の状況確認
点呼時に運行の状況を確認することで、悪天候や渋滞、交通情報などをドライバーに共有し、事前に適切な運行計画を立てることが出来ます。
5.運行管理者の役割
運行管理者は点呼を通じて、上記のチェックを徹底し、全体的な安全運行をサポートします。運行管理者の責任として、事故防止のための安全対策を取ることは法的義務でもあり、点呼を適切に行うことで企業の法的リスクも減らせます。
また点呼の未実施や不適切点呼は法令違反となり、厳しい罰則が科せられます。
点呼未実施による処分内容
| 違反内容 | 違反件数/状況 | 初違反の処分 | 再違反の処分 |
|---|---|---|---|
| 点呼未実施 | 19件以下 | 警告 | 10日車 |
| 20件以上49件以下 | 10日車 | 20日車 | |
| 50件以上 | 20日車 | 40日車 | |
| 不適切点呼 | 一部不適切 | 警告 | 10日車 |
| 全て不適切 | 10日車 | 20日車 |
日車・・・運送事業者の行政処分の際に使われる用語。数字分の日車を使用停止にする。
例)10日車の場合 1台のトラックを10日間停止するか、2台のトラックを5日間停止する。
まとめ
点呼は運送業における安全の基盤であり、ドライバーと車両の状態を事前に確認することで、事故やトラブルのリスクを最小限に抑えることができます。
また、過労運転や精神的な問題を未然に防ぐことができるため、点呼は事故を減らし、安全な運行を支えるために欠かせない手段と言えます。
名正運輸の取り組み
名正運輸では、ドライバーの安全の為必ず対面で点呼を行っております。
また、点呼の実施だけでなく様々な安全に関する対策を行っております。
・オリジナル社内ルール
(社速、左折時一旦停止、バック時は一度降りて後方確認)
・安全の日の実施
(毎月安全についての意識を高める『安全の日』を設けて、各営業所で追走指導や添乗指導を行う)
・ドライブレコーダーの確認
(常時録画しているドライブレコーダーを活用した運転指導)
・運行管理
(クラウド型デジタコを全車に装備し、リアルタイムの状況把握)
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|---|---|---|
| 出退勤時にアルコールチェックの実施 | 定期的な車両点検 | 追走を行い、乗務員に結果の報告・指導 |
これからも名正運輸では安心・安全な物流サービスを提供して参ります。



