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冬場の安全運行にはスタッドレスタイヤ!~運送業界のタイヤ運用実態~

2025.11.21

冬の物流現場では、天候の変化が運行スケジュールや安全性に大きな影響を与えます。特に雪道・凍結路面での走行は、年間事故の中でも「冬特有のリスク」として多くの企業が警戒しています。
そのなかで、運送会社が最も重視している装備が スタッドレスタイヤ です。

本記事では、運送業界がどのようにスタッドレスタイヤを運用しているのか、実態とノウハウをわかりやすくまとめました。

目次

 1.なぜ冬場の運送業務にスタッドレスタイヤが必須なのか 
 2.運送業界のスタッドレスタイヤ運用実態 
 3.トラック・大型車ならではのスタッドレス事情 
 4.スタッドレスでもチェーン義務? 
 5.冬期の安全運行チェックリスト(運送会社が実践) 
 6.まとめ ~安全運行は“タイヤ運用”から始まる~ 






なぜ冬場の運送業務にスタッドレスタイヤが必須なのか


路面凍結による事故リスクの増大
冬季の路面は、気温が0〜3℃でも薄い氷膜が形成され滑りやすくなります。
特に早朝・深夜はブラックアイスバーンが発生しやすく、タイヤのグリップ性能が大きな差を生みます。スタッドレスタイヤは柔らかいゴムと細かいサイプ(切り込み)によって氷を“かみつく”構造のため、凍結路面での制動距離が大幅に短縮されます。

積載重量がもたらす制動距離の変化
トラックは貨物重量によって総重量が大きく変化します。
重いほど止まりにくい一方、積載量が少ないと後輪の荷重が減り横滑りしやすくなるため、一般車以上にタイヤ性能が安全性を左右します。

高速道路と一般道で異なる危険ポイント
高速道路では速度が高いため、雪面での挙動が急激に変化します。
一般道では山間部・交差点・橋上など局所的な凍結が多く、急ブレーキや急発進の頻度も高いのが特徴です。

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運送業界のスタッドレスタイヤ運用実態


交換時期は10〜12月がピーク
物流企業では「早めの交換」が鉄則です。
北日本は10月頃、関東以南では11〜12月に交換が集中し、繁忙期を前に準備を完了させます。

運送会社が最も重視する性能は「氷上性能」
耐摩耗性やコストはもちろん重要ですが、事故防止の観点から氷上性能が最優先となっています。

早め交換を徹底する理由
大型トラック・トレーラーの事故は被害が大きく、企業の信頼低下にも直結するため、
多少コストがかかってもリスクは排除する」という方針が定着しています。




トラック・大型車ならではのスタッドレス事情


トラック用スタッドレスは、乗用車と異なる特徴をもっています。
強度の高い構造摩耗しにくいトレッドブロック駆動力を逃がさない深い溝設計などが特徴です。また、この他にも・・・

駆動軸・従動軸によって変わるタイヤ選び
駆動軸(後輪)には氷上性能・発進性能を重視したモデル、従動軸(前輪・トレーラー軸)には耐久性寄りのタイヤを選ぶなど、配置によって使い分けられています。

摩耗
発進が多い市街地配送、積載重量と空荷の変動、長距離連続走行・・・これらが乗用車より摩耗を早める要因となっています。

トラックドライバーが語る【冬のリアル】
橋の上だけ急に凍っている」「坂道発進が一番怖い」「高速のトンネル出口が滑りやすい
こうした声が冬期の運行管理の参考として活用されています。

スタッドレスでもチェーン義務?


大雪時には“チェーン装着車のみ通行可”となる「チェーン規制区間」が発令されることがあります。そのためスタッドレス装着は前提として、チェーン携行が義務化されている会社が多数です。

チェーン規制区間の特徴
特徴として、山間部・急勾配・降雪量が多い高速などが対象です。

二重装備運用が一般的
スタッドレスタイヤ+金属チェーンのセットで運用し、必要時はすぐ装着できるようにしています。

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冬期の安全運行チェックリスト(運送会社が実践)


タイヤ点検
毎朝の入念なタイヤ点検を実施しましょう。また、気温が下がると空気圧が低下するため、夏よりこまめな点検が必要です。摩耗度合い・走行距離・路線条件を踏まえ、適切にローテーションを行い寿命を延ばすことも大切です。

 ・ひび割れ
 ・残溝
 ・サイドウォールの膨らみ
 ・土砂や石の挟み込み



ドライバー教育のポイント
冬期の運行においては、ドライバー一人ひとりの運転行動が事故防止に直結します。特に凍結路面では、通常の感覚での操作が重大事故につながる場合があるため、以下のポイントを重点的に教育することが求められます。

 ・急ブレーキの禁止
 ・早めの減速
 ・車間距離は通常の2〜3倍
 ・落雪や巻き込み事故への注意



スタッドレスタイヤの選び方(運送会社向け)
運送会社は車両ごとの運行形態を踏まえ、氷上性能:雪国・山間部、耐摩耗性:都市配送・長距離、燃費性能:高速比率が高い路線、とバランスを考えてタイヤを選びます。用途別のおすすめモデルは下記の通りです。

 ・一般道・市街地配送:耐摩耗性重視
 ・山間部・雪国:氷上性能優先
 ・高速メインの長距離:燃費・耐久性の両立




まとめ ~安全運行は“タイヤ運用”から始まる~


冬季の運送業務では、スタッドレスタイヤの性能と運用ルールが安全性に直結します。
早めの交換・定期点検・チェーン携行といった基本を徹底することで、事故リスクを大幅に減らすことができます。

雪道のリスクは避けられませんが、適切なタイヤ運用こそが最も確実な安全対策です。






本社 写真


会社名:名正運輸株式会社

所在地:愛知県海部郡飛島村大宝7-60

代表者:加藤新一

設立:1969年6月10日



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