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拡大する宅配サービス~配送業者が直面する課題とは~

2025.09.12

近年Amazonや楽天などのネット通販の利用率が増加したことにより、宅配サービスを利用される方が増加しています。自宅にいても商品を購入できる便利さの反面、配送業者には負担が迫っています。人手不足、再配達の増加、過酷な労働環境。急成長する宅配サービスの裏側には、持続可能とは言い難い現実があります。

本記事では、宅配サービスの利用が増加した理由と、宅配サービス利用増加によって配送業者が抱える負担について解説いたします。

目次

1.宅配サービスの利用が増加した理由
2.配送現場が抱える負担
3.まとめ


1.宅配サービスの利用が増加した理由

宅配サービスの利用が増加した理由は以下の理由が考えられます。

1. EC市場の急成長


BtoC-EC市場規模の経年推移(単位:億円)
EC市場推移
参考:経済産業省「令和5年度電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」


インターネットショッピングの普及により、宅配サービスは急速に成長しました。特に2000年代後半から、スマートフォンの普及と合わせてオンラインショッピングの利用者が増加し、宅配業者の配送量は飛躍的に増えました。経済産業省「令和5年度電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」によると、EC市場規模は2014年から2023年の9年間で約2倍にまで増加しています。
最近では、「Amazon」「楽天市場」をはじめとした大手ECサイトに加えて、個人や小規模店舗のオンラインショップが増え、ますます宅配需要が高まっています。

2. 宅配サービスの社会的インフラ化
宅配サービスは、もはや単なる商業活動にとどまらず、私たちの社会の基盤を支える重要なインフラとなっています。特にコロナ禍では、店舗の閉鎖や外出制限が影響し、オンラインでの買い物が急増しました。この状況下で、宅配サービスは「生活必需品」を供給する重要な役割を果たしました。これにより、宅配サービスの社会的価値が再認識されるとともに、需要が一層高まりました。

3.宅配サービスの向上
宅配サービスの社会的インフラ化に合わせて、多くの配送業者が宅配サービスの向上に努めました。昔ながらの「日中の固定時間に配達」というスタイルから、今では「自分の都合に合わせた時間帯指定」「即日配送」「即時配達」など、柔軟で迅速な配送サービスを提供出来るようになりました。配送サービスの中でも、特に置き配の普及により不在の時でも荷物を頼むことが可能になったため、時間を気にすることなく宅配を依頼できるようになったことも宅配サービス利用増加に影響を及ぼしています。


宅配サービスの利用増加は、消費者のライフスタイルの変化に密接に関連していますが、その背景には複雑な社会的・経済的な要因も絡んでいます。
特に「便利さ」を追求するあまり、現場の配送業者に過度な負担がかかっている現実もあります。

2.配送現場が抱える負担

不在や再配達による影響も

宅配サービス利用増加、配送サービスの向上により私たちの生活は便利になっていますが、その分配送業者・ドライバーに生じる負担も大きくなっています。
以下では配送業者が抱える負担・課題点について説明します。

1. 配送現場が抱える人手不足
宅配サービスの利用は急増していますが、その一方で現場を支えるドライバーや作業員は「人手不足」になっています。
人手不足のため、一人のドライバーが1日に100個以上の荷物を何件も扱うケースも珍しくありません。そういった過重労働により、人材募集をしてもなかなか集まらない、採用できても長続きしない、人がいないから一人当たりの作業量が増えるといった悪循環が発生しています。

2. 業界全体の構造的な課題
人手不足は単なる労働力の問題にとどまりません。人がいないことでサービスの質が保てなくなったりするため、消費者の満足度や企業の収益にも影響を与えます。つまり、業界全体の持続可能性が問われているのです。

3.再配達の増加
前述のとおり、「即日配送」「即時配達」など、自分の生活に合わせた配送サービスを提供しているにも関わらず、再配達は年間で約5億個あると言われています。労働力に換算すると年間約6万人のドライバー労力に値すると言われており、人手不足の中でこれだけの人数分の労力が再配達に使われています。現在再配達に料金は発生していない為、配送業者、ドライバーに大きな負担がかかってしまっているのです。
普段何気ない気持ちで不在にしたり再配達にしてもらっているかもしれませんが、実は配送業者には大きな負担になっていたのです。




3.まとめ

消費者にできること

私たち消費者が日々利用する宅配サービスは、その便利さに頼り切っているのが現状ですが、その便利さを支えている配送業者の苦労もまた見逃せません。人手不足や過剰な再配達、過酷な労働環境など、配送業者が抱える課題は深刻です。しかし、私たちにもできることはたくさんあります。

1.再配達を減らす
 ・自分の都合に合わせて配達時間を指定
 ・スマートロッカー・コンビニ受け取りの活用

2.配送日時の柔軟性
 ・時間帯や曜日を指定できるサービスを利用し、可能な限り自分の都合を調整
 ・特に忙しい時間帯に配送を集中させないような配慮


私たち消費者が普段から宅配サービスを使う際に、配送業者が抱える課題に理解を示し、業界全体の改善に向けて協力する姿勢を持ちましょう。
物流業界の未来は、私たちの協力なしには実現しません。
今一度、便利さの裏側にある「支えてくれる人々」に思いを馳せ、共に持続可能なサービスを育てていきましょう。

会社概要




本社 写真


会社名:名正運輸株式会社

所在地:愛知県海部郡飛島村大宝7-60

代表者:加藤新一

設立:1969年6月10日


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